数年前から『ニホンウナギの完全養殖』の研究について見聞きすることがありますが、日本うなぎの完全養殖はなぜ難しいのでしょうか?
できない理由や課題・問題点が気になります。
そこで今回は、
・ウナギの完全養殖はなぜ難しい?
・ウナギの完全養殖の課題と問題点
を調査したいと思います!
うなぎの完全養殖はなぜ難しい?
ニホンウナギの完全養殖がなぜ難しいのか調べたところ、人工飼育でのニホンウナギの成長確率の低さに原因がありました。
うなぎの完全養殖では、卵→仔魚→稚魚(シラスウナギ)→成魚(大人のうなぎ)の順で飼育します。
人口飼育では、うなぎ卵から孵化させてシラスウナギまで育てるのが一番難しいと言われていて、成長率は5%を切るとも言われています。
うなぎの卵が孵化してからシラスウナギに成長するまでに、細菌が発生して死ぬケースも多く、水質管理には気が抜けないとの事でした。
現在のニホンウナギの養殖では、天然のシラスウナギを捕まえて成魚まで育ている状況です。
しかし、ここ数年で天然のシラスウナギの数が極端に減っていることもあり、養殖のうなぎでも高値で取引されています。
一般家庭でも気軽にうなぎが食べられるように、研究が進むことを願います!
うなぎの完全養殖の課題と問題点
うなぎの完全養殖の課題と問題点は、大きく分けると『餌の問題』と『生産コストの問題』です。
最近でこそ、うなぎの生態について研究が進んでいますが、まだまだわからない事がたくさんあります。
餌の問題
日本では、2002年にアブラツノザメの卵を使った餌を与え、人工ふ化させた仔魚から稚魚に成長させることに成功しました。
天然うなぎの仔魚は、日本から3,000キロ南のマリアナ海溝で生まれ、プランクトンの死骸などを食べて体長6cm程の稚魚に変わります。
しかし、野生生物の国際取引を規制するワシントン条約会議の議題に上がるなど、アブラツノザメの資源保護が求められ、餌の改良を進めていたのです。
2022年にはコストを抑えた餌の開発が成功し、仔魚から稚魚への成長率を40%まで上げることができました!
脱脂粉乳や魚粉などに水を加え、ペースト状に仕上げた餌を仔魚に与えたところ、約1割がふ化から200日後まで生き残り、サメ卵が原料の餌と同等だった。さらに生き残った仔魚を生後300日以上飼育したところ、40%が稚魚まで成長した。
引用:東京新聞
生産コストの問題
2023年10月には、卵から人の手で育てた稚魚を親にし、その親からとれた卵をふ化させる事に成功しました。
天然うなぎの場合、平均120日間で仔魚から稚魚になりますが、人工飼育では2・3倍かかるようです。
細菌が発生しないように水質管理も徹底しなくてはならないため、
- 現段階では小型の水槽でしか育てられない
- 餌代や光熱費など稚魚1匹あたりの飼育費用は約3,000円
となっており、天然稚魚の取引価格(180~600円)と比べると割高になります。
他の魚と比べると、飼育が難しいニホンウナギ。
研究が進んで、一般家庭でも気軽に食べられる日がくることを説に願います!
まとめ
この記事では、うなぎの完全養殖はなぜ難しいのか?できない理由や課題・問題点についてご紹介しました。
- うなぎの完全養殖が難しい理由は、仔魚から稚魚への成長率に問題がありました。
- うなぎの完全養殖の課題と問題点は、餌や稚魚に育てるまでのコストの削減です。
まだまだ難しいとされるウナギの完全養殖ですが、研究が進んで一般家庭でも気軽にうなぎが食べられれば嬉しいですね♪