ビールやその他の液体を測る際によく用いられる「ガロン」という単位に焦点を当ててみましょう。
このガロンは国によって異なる量を指します。
例えば、イギリスでは約4.5リットル・アメリカでは約3.8リットルとなります。
日本ではアメリカのガロンが一般的です。
この記事ではガロンのほか、オンスやバレルといった液体測定単位の基本を解説します。
ビールの製造やガソリンの販売で見かけるガロンという単位について、詳しく見ていきましょう。
ヤード・ポンド法でのガロンの意味
ガロン（gallon）は、ヤード・ポンド法における体積を測る単位で、ラテン語の「gallēta」（ボウルやバケツを意味する語）に由来します。
ヤード・ポンド法とは、長さをヤード・質量をポンドで測るシステムで、主にアメリカやイギリスで使用されています。
特にビールの醸造では、ボトルや容器のサイズを示すのにガロンがよく使われます。
「体積」とは、物が占める空間の大きさのことを指し、「容積」と同じ意味で使われることがあります。
ここでいう「容積」は容器の最大容量を、そして「容量」はその容器に入れられる物の量を表します。
イギリスとアメリカの異なるガロン単位
「ガロン」という単位は、ヤード・ポンド法に基づいており、イギリスとアメリカでその定義が異なります。
アメリカでは液体の量を示す「液量ガロン」と、固体の体積を示す「乾量ガロン」の2つのタイプが存在し、それぞれに独自の数値が設定されています。
それぞれのタイプについて詳しく見てみましょう。
イギリスのガロンは約4.5リットル相当
イギリスでは、1963年に穀物用の「コーンガロン」・ワイン用の「ワインガロン」・ビール用の「エールガロン」という3つのガロン単位が統一されました。
新しい定義では、10ポンドの水の体積が基準とされ、1ガロンは約4.546リットルとされています。
アメリカのガロンは約3.8リットルに相当
アメリカでは、イギリスで使われていた2つのガロン単位に基づく測定が今日も行われています。
このうち「米乾量ガロン」は約4.404リットル（穀物用）・そして「米液量ガロン」は約3.785リットル（液体用）です。
ただし、米乾量ガロンはほとんど使われておらず、米液量ガロンはガソリンやビール・牛乳などの単位として広く用いられています。
日本ではアメリカのガロンが主流
国によって異なるガロンの定義は混乱を生じさせることがありますが、日本では主にアメリカの「米液量ガロン」が採用されています。
アメリカのスーパーマーケットでよく見かける大容量の牛乳やジュースのボトル（取っ手付き）が1ガロンで、これは約3.785リットルに相当します。
日本で「ガロン」と言われる場合、このアメリカ式の1ガロンボトルを思い浮かべると分かりやすいです。
ビール測定に使われる単位：オンスとバレル
ビールの容量を示す際、ガロン以外にも「オンス」と「バレル」という単位がよく用いられます。
これらの単位の具体的な容量とガロンとの関連性について詳しく説明します。
オンスとは何か、ガロンとの関係
「オンス」はポンド・ヤード法における質量や液体の体積を示す単位で、主に「トロイオンス」・「常用オンス」・「薬用オンス」という種類があります。
ビールの容量を測る場合、「オンス（oz）」や「液量オンス（フリュイドオンス＝fl oz）」として使われます。
イギリスでは1オンスが約28.41ミリリットル・アメリカでは約29.57ミリリットルと定義されており、主にビールのボトルやグラスのサイズを示すのに使用されます。
イギリスとアメリカではオンスとガロンの関係も異なり『イギリスでは1ガロン＝160オンス』『アメリカでは1ガロン＝128オンス』となっています。
バレルとは、ガロンとどう関連するか
「バレル」は液体の量を示す単位で、特にビール醸造において樽の容量を表すのに用いられます。
バレルはヤード・ポンド法に基づいており、樽のことを意味します。
ビールの量を表す際のバレルとガロンの関係は以下の通りです。
- イギリス：1バレル＝36ガロン（約163リットル）
- アメリカ：1バレル＝31ガロン（約117リットル）
アメリカにおけるバレルの用途：原油とガソリン
アメリカではバレルは用途に応じて異なる量を示す単位です。
特に石油の場合、1バレル＝42ガロン（約159リットル）と定義され、国際的な原油取引にも用いられています。
この由来は、元々石油を運ぶために使用されていた50ガロンの酒樽が、漏れや蒸発により最終的に42ガロンほどになったことによります。
一方で、アメリカではガソリンの販売には「米液量ガロン」が使用され、原油取引では「石油用バレル」が標準単位となっています。
ビールの容量を示す単位：パイントとリットルについて
ビールの量を測定する際には、ガロンよりも小さい単位として「パイント」が一般的に使われます。
このパイントは、ヤード・ポンド法に基づく体積単位であり、国によってその数値は異なります。
- イギリスでの1パイント（UKパイント）は568ミリリットル
- アメリカでの1パイント（USパイント）は473ミリリットルに相当します。
イギリスやアメリカでは、ビールを注文する際に「パイント」や「ハーフパイント」といった異なる量で提供されることが一般的で、これらのサイズのビールグラスは通常「パイントグラス」と呼ばれています。
日本では、メートル法に基づく「リットル」と「ミリリットル」という単位がビールの容量表示に広く使用されています。
このシステムでは、1立方デシメートル（10cm×10cm×10cm）の体積を1リットルとし、その1000分の1を1ミリリットルと定義しています。
日本で販売される缶ビールや瓶ビールでは、主にこれらの単位が容量表示に採用されています。
国によってビールの量を示す単位の定義が異なるため、それぞれの国の単位を理解することが国際的なコミュニケーションにおいて重要です。