料理をしているとき、急に「薄力粉や片栗粉が足りない!」と気付くことがありますよね。
似たような外観をしているため、「片栗粉の代わりに薄力粉を使っても大丈夫かな?」と考えることもあるでしょう。
外見は似ているものの、片栗粉と薄力粉は異なる原材料から作られていて、料理の食感や見た目に大きな影響を与えます。
今回は、以下の点について詳しくご紹介します。
・薄力粉と片栗粉を間違えて使った場合の影響
・薄力粉と片栗粉:使い方の違い
・薄力粉と片栗粉の代替品に関して
・薄力粉と片栗粉を使い分ける料理
薄力粉と片栗粉を間違えて使った場合の影響
薄力粉と片栗粉を間違えて使った場合の影響は、どんな料理を作るかによって異なります。
間違えて使っても問題ない料理もありますが、作りたかった料理とは見た目や食感が変わってしまう場合があります。
間違えて片栗粉を使った場合
揚げ物に片栗粉を使用しても大きな問題は生じません。
薄力粉と同様に、食材の旨味をしっかりと閉じ込めてくれます。
しかし、片栗粉を使うと揚げ物の色はきつね色にならず、軽くてサクサクとした白っぽい食感が特徴になります。
また、ソース作りに片栗粉を用いると、とろみが強くなり、あんかけ風の質感が生まれます。
間違えて薄力粉を使った場合
薄力粉を使うと、揚げ物は美しいきつね色に仕上がり、外側はカリカリとした香ばしい食感になります。
薄力粉でもある程度とろみを付けることは可能ですが、片栗粉ほどの粘り強さはなく、よりサラッとした仕上がりになります。
ただし、小麦粉はダマになりやすいため注意が必要です。
薄力粉と片栗粉:使い方の違い
見た目が似ている片栗粉と薄力粉ですが、使い方には大きな違いがあります。
ケーキやクッキーを作る際には薄力粉が用いられ、とろみを加える際には片栗粉が使われます。
肉料理など、同じように使用されることもあります。
原材料の違いにより、片栗粉と薄力粉を使った料理の仕上がりには差が生じます。
- 片栗粉の原材料はじゃがいもで、じゃがいもをすり下ろし、水にさらしてでんぷんを沈殿させ乾燥して作ります。
- 小麦粉は小麦を挽いて作られます。
どちらもデンプンを多く含んでいますが、片栗粉はほとんどタンパク質を含まず、小麦粉にはタンパク質が含まれています。
このタンパク質の有無が、料理の質に大きく影響します。
小麦粉に含まれるグルテニンとグリアジンは、水を加えて練るとグルテンという粘り気のある成分になります。
小麦粉には薄力粉・中力粉・強力粉があり、それぞれタンパク質の量によって区別されます。
一方、片栗粉はタンパク質をほとんど含まないため、水に混ぜてもサラサラとした状態を保ちます。
片栗粉と小麦粉は、特に揚げ物やとろみ付けの際に使い分けられます。
揚げ物の衣について
- 片栗粉:軽くサクサクした食感で、外見は白っぽい
- 小麦粉:外はカリッと、中はジューシーで色はきつね色に
とろみ付けについて
- 片栗粉:粘度が高く、中華料理によく使われます
- 小麦粉:粘度があるがサラッとしており、カレーやシチューなどの洋食に多用されます。
薄力粉と片栗粉の代替品に関して
片栗粉や小麦粉を間違えて使用しても食べる上では問題は少ないですが、見た目や食感の違いには注意が必要です。
代替品を検討する際は、他の選択肢を考えるのが良いでしょう。
片栗粉の代替品
片栗粉の代わりには、コーンスターチが適しています。
とうもろこしのでんぷんから作られたコーンスターチはグルテンを含まず、とろみ付けに使用されますが、その特性には若干の違いがあります。
片栗粉は加熱するととろみが増しますが、冷めると減少する傾向にあります。
一方、コーンスターチは加熱後冷めてもとろみが持続しやすく、プリンやカスタードクリームなどのデザート作りにも適しています。
ただし、コーンスターチにはわずかな濁りがある点が異なります。
薄力粉の代替品
小麦粉の代替品としては米粉が適しています。
米粉は米を細かく粉砕して作られ、クッキーやケーキ作りに適しています。
米粉は米特有のほのかな甘さが特徴で、ダマになりにくいため、カレーやシチューなどのとろみ付けにも適しています。
薄力粉と片栗粉を使い分ける料理
料理において、片栗粉と薄力粉のそれぞれの特徴を理解し、適切に使い分けることは非常に重要です。
以下では、これらの粉をどのように使い分けるべきか、実例を挙げて説明します。
鶏肉の唐揚げ
鶏肉の唐揚げでは、一般的に小麦粉を使いますが、片栗粉を使うと異なる食感が楽しめます。
通常の唐揚げは小麦粉を使い、片栗粉を使うと特有の食感の竜田揚げになります。
これらの料理名は、それぞれの起源に由来しています。
例えば、普通の『唐揚げ』は中国の唐の地方料理法に由来し、竜田揚げは『竜田川』の名前から名付けられています。
竜田川の紅葉が有名で、それが竜田揚げの特徴である片栗粉のかたまりと結びついています。
ソテーする料理
ソテー料理では、肉や魚を香ばしく仕上げるには小麦粉が適しています。
ソースを加えてとろみを出したい場合は、片栗粉を使用すると良いでしょう。
洋食では小麦粉、中華料理では片栗粉を使うという方法もあります。
カレーやシチューに最適なのは?
カレーやシチューの作り方では、通常は小麦粉が使われます。
これは、片栗粉のもたらす高い粘度が、この種の料理には適していないためです。
片栗粉を使うと、より濃厚でトロッとしたルーができます。
薄力粉と片栗粉を間違えた時の影響や代用品:まとめ
この記事では『薄力粉と片栗粉を間違えた時の影響や代用品』『使い方の違い』について紹介しました。
- 薄力粉と片栗粉を間違えて使った場合の影響は、どんな料理を作るかによって異なります。
- 間違えて使っても問題ない料理もありますが、作りたかった料理とは見た目や食感が変わる場合があります。
- 片栗粉の代わりにはコーンスターチ、小麦粉の代わりには米粉を使用することも可能です。
料理の食感や味わいを変えるために、これらの粉を巧みに使い分けることで、料理のバリエーションが広がります。
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参考片栗粉と小麦粉はどっちでもいい?代用してはいけない料理や違いについて
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